撮影にかかる時間
企業さんや大学さん、事業者さんなど、直接写真撮影のご依頼をいただくケースが多くあります。この中でよく「撮影にどのくらいの時間を考えればいいですか?」と聞かれます。広報さんや編集者さんからも聞いてくださることはありますが、時間がどれだけかかるか撮影者に聞こう、という精神に愛を感じます。
撮影にかかる時間は、内容をうかがってからこちらで目安をお伝えしています。時間が限られていて「所要時間や時刻の前提ありき」の場合は、その中で可能な動きをご提案します。撮影する場所や、準備に入って良い時間など、様々な条件がからんでくるので、無理がある場合はもちろんお伝えして、優先順位を決めていただくなどの相談をします。

余談ではありますが、撮影スケジュールを組むにあたって、何を優先するか?ということは重要になってきます。「スピード」か「クオリティ」これが大きな2択だなと思います。
「スピード重視」が必要なケースもあります、これをきっちりこなすのもプロ。イベントや学園祭、OCなど、各ブースを撮影して次から次へと・・・という撮影、まさに「スピード重視」で、撮りきることが目的になります。ただ、たまたま撮影に入ったときにベストな状態でない場合もあり(準備中とか人がいないとか)そこは仕方ないとするしかありませんが、「時間が限られている」「スピード重視である」という目的がはっきりしています。ちゃんとしたポートレートやキメ写真を撮りたいときに「スピード重視」はまず無い、という感じですね。「ちゃちゃっと撮って」というスケジュールを組むことは「ちゃちゃっとでOKなクオリティ」と思っていただくのが妥当・・・!どっちつかずが一番闇(笑)なので、何を重視するかを時間との兼ね合いの中で決めないといけませんね。
なお、タレントさんを取材撮影する際に「撮影時間10分」とか、けっこう多いです。あっという間です。でも、この撮影が始まる前に時間をかけてライトのセッティングやテストを終えているので、タレントさんが来たらソッコー撮る!終わる!という流れ・・・。タレントさんはヘアメイクも完璧な状態でいらっしゃしますし、さすがプロですから撮影にも慣れていてポーズや表情もすぐに決めてくれます。だからこそすぐコンプできるわけです。モデルやタレントさんというのはやはり被写体としてのプロなので、時間の短い取材撮影にも慣れていますね。(グラビアやコマーシャルの撮影となると、今度は逆にものすごい時間をかけますし、関わるスタッフの人数や規模も全然違います。)

しかし、そういった撮影に慣れているわけではない方に、ものの数分できめてくれっていうのはなかなか無理があります。ヘアや服装もチェックして撮影に臨みたいところですが、その時間すら見込んでない、ということは、そこは重要視していない、ということになります。しかし、さきほど申しあげた通り、それでもいい撮影(=スピード重視)もたくさんあります。時間はないけど服装も髪も表情もバッチリで!というのは無理な話なので、何を優先するかを前提に所要時間を想定してスケジュールを組んでいくのがベストです。
また「とにかくたくさん撮ってもらって後で選んであれこれ使う!」という考え方もありますが、これは「スピード重視」と見せかけた「量重視」なので、クオリティすら求めていない、というところでしょうか。まあ、はっきり言うと、一番中途半場です。具体的目的がないので意図がはっきりしない写真になることや、とにかく数をこなすことが優先されるためいちいち撮影に手をかけられないためたいした写真にならない・・・という点で、クオリティにはこだわれない方向性になります。写真をどう使用するか目的をちゃんと決めて、そこで使用想定した写真を撮影する、そこにある程度のバリエーションを加える、というのが正しい方向性かなと考えています。たくさんあったら何か使える!とか、たくさん写真あれば嬉しい!喜ばれる!というのは、安かろう悪かろう全然精神に近いものがあり、写真やデザインにこだわっている方にはない発想かな・・・と個人的には思っています。「バリエーションをたくさん」「念のためあれこれ撮っておく」が足かせになって、全体のクオリティが下がりまったく念のためになってないケース、あります。こういう発想が映像関係者の中での闇オブ闇。
撮影は、限られたスタッフと限られた時間、場所の中でスケジュールを組みます。どこにも無理がないようにするには「何を目的にどういう写真が必要か」「優先順位の上位は何か」を考えることが一番の近道です。撮影の準備にかかる時間や規模感は、実際に撮影するカメラマンでないとわかりませんから、わからない点は相談していただいて、こちらからもよりスムーズな進行をご提案させていただき、スケジュールや内容をfixしていきたいと思っています。